競売への入札のしかた
今回の経験から、競売に興味を持ちまして実は何回か入札してみました。
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どこの不動産を手に入れるか考える
行ったことがない離島の家も魅力的ですが、実際に手に入れるとなると、知っている場所、土地勘のある場所になると思います。現在は全国の多くの裁判所の競売物件の情報をネットで見れるようになったので、出身の田舎だったり、住んだことのある地方都市でも入札は可能です。
スケジュールを確認する
全国の競売のスケジュールもこのサイトから確認する事ができます。私はGoogleカレンダーにインプットして公開時にはざっと目を通していた時期がありました。長いこと見ているとトレンドみたいなものが少し見えてくると思います。
競売の情報を見る(3点セット)
競売物件の詳細情報である3点セットもこのサイトから見る事ができます。
執行官が調べてきたインタビューや写真、不動産鑑定士の調査書もついていますのでだいたいの条件はわかります。3点セットの実物は所管の裁判所に公開時期にはファイルしてあります。
有料でコピーも出来ます。ネットで公開されている3点セットとの違いは、ネットの情報は固有名詞などの情報は隠してありますが、実物にはそのまま書かれています。本当に入札する場合は開札のも行く事になると思いますので、行ける場所であれば下見がてら3点セットを見に行くのもお勧めします(だいたい、不便な場所が多いようですが)。また、最近は一般の人にも入札してもらおうとの考えからか、パンフレットなども並んでいたりします。
3点セットを見ていると、その物件の状況が説明されています。以下私の勝手な想像における、物件の状況ごとの印象です。
自宅用 | 事業用 | 私の勝手な想像(笑) | ||
占有者がいる | 債権者 | ◯ | ◯ | 自分のせいなので話し合いはし易い? 多分お金がないのので引っ越し費用の提供が必要かも。 事業用なら、そのまま店子になってもらう事も考えられる(支払い悪そうだが) |
債権者の元家族等 | ◯ | ◯ | 元旦那は行方不明だけど、元奥さんが住み続けている等 こちらもある程度事情が分かっているので交渉しやすい? ただ、引っ越し費用があるかどうかは微妙。 | |
第三者(借家など) | ◯ | ◎ | 本人は落ち度はないと思っているので、最初交渉は難しいかも 事業用の取得であれば、そのまま店子になってもらえばいいのでカモネギ状態。 ただ、敷金に関しては再度もらわないといけないので要交渉。 自宅用の場合出てってもらう必要があるので、要交渉。 最悪の場合は強制執行 という訳には行かないのでなんとかお願いして 出て行ってもらう。 | |
占有者いない | 何もない | ◎ | ◎ | 掃除もいらないぐらい何もないのが理想。 |
残留物あり | ☓ | ☓ | 元の所有者と連絡がとれない場合(夜逃げなど)ゴミと言えども残留物なので、 許可無く処分できないので、どこかに保管する必要あり。色々面倒。 |
ただ、3点セットを読んでいると、「祖父の代から住んでいるがなんで住めているのかわからない」とか「回答なし(一切の質問に答えなかった)」とか「この場所は30年前から事務所として使っている」状況として「壁に大きな家紋あり」(笑)とか、「畳に人型のシミあり」とかすごいのがいっぱいあるので、まずは実況を読む事をおすすめします。インタビューは結構セキララです、ホントに。
現地の情報を調べる
気に入った物件があったら、登記の情報を手に入れましょう。どのような権利関係にある土地なのかが分かります。 参考>コラム 不動産登記の調べ方 現在は Googole Mapで現地の周辺の環境などを見ることもできますし、ストリートビューを見れば現地に降り立ったような錯覚さえ覚えるほどの情報をネット上で見る事もできます。また、行けるところえあれば、実際に足を運ぶべきだと思います。Googleの情報もリアルタイムではありませんし、やはり生でみると情報量が格段に違います。
入札関係書類を手に入れる
入札関係書類を裁判所でもらいます。現地に行くのが一番簡単ですが(どうも各裁判所毎でフォーマットが違う様です)、行けない場合でも電話で問い合わせると送ってもらう事も出来ます。(切手付きの復路の封筒を送ると書類を入れて送り返してくれたりします)
入札金額を決める
プロではないので難しいのですが、私の場合、思った価格より若干低めの数字で入札しています。もし、誰も入札しなかった場合ラッキーに手に入るのを思ってそういう値段でやっていましたが、価格に関してはそれぞれの考えがあると思いますので、競売のサイトには過去の価格情報などもありますので、参考にして納得出来る金額を記入してください。
お金を用意する
実はこれが一番問題です。裁判所の説明を見ていると現金で振り込むか銀行がお金を貸すと認めた証明書があればOKとなっているのですが… 仕事上の付き合いのある、メガバンク、地銀、信用金庫等の担当者に聞いた限りは、借入は難しいという感触でした。
一般的には抵当の登記と借入が同時に行われ不動産の売買が成立する訳ですが、競売物件の場合、お金が入金され始めて登記が行われるので結果順番が逆になるというのが問題のようで住宅ローンは使いにくい様です。 また、購入する物件を運用しようと思うと、その運用計画を求めたりして、それが認められる可能性も低いし、通っても金利が住宅ローンからすると高いそうです。
とりあえず自分のお金で買っておいて、後で住宅ローンに切り替えるのはどうか?との質問もしましたが、そういう特殊な事は滅多なことでは認められないんだそうで…. 銀行以外のいわゆるノンバンクではそういう貸出もしているとの噂は聞いたことがあるのですが裏はとっていません。 とりあえず自分で手配できる範囲での入札が現実的だと思っています。(裏ワザがあれば知りたいぐらいです(笑))
入札する
<銀行で基準価格の2割の金額を送金する/用紙を郵送する>
基準価格の2割の金額(保証料)と専用の入金用紙を銀行に持って行くと、手数料なしで入金ができます。このお金は開札が終わって1ヶ月程度で戻ってきます。同じく、入札金額を書いた用紙と納付の証明書を封筒に入れて、裁判所に郵送で送ります。 詳しくはこちらへ > 入札等の手続について
開札
私が行ったところは建物のロビーのようなところでしたが、会議室みたいなところでやるのが一般的なようです。執行官が一番前に座り順番に開札を行っていきます。一番高い金額が付けた人が暫定の落札者、二番めの人はその場にいれば、補欠として登録できます(一番目の人が何らかの事情で、落選した場合、繰り上げになるそうです)。あと、一番の金額が複数人いる場合でもその場にいれば、その場で決着を付けるそうです(くじ引きと聞きましたが確認してません)。という事で、行けるものなら会場に行く事をお勧めします。
納付
ここまで来ると私は未知の領域なのですが、一週間程度で、裁判所が落札者を決めます。決まったら残金(2割の保証金を引いた金額)を送金して、所有権が落札者のものになります。登記の情報は裁判所の方で書き換えてもらえるそうです(一般の不動産取引と違う所ですね)
(入札が無かった場合)特別売却
開札日の日から2週間程、特別売却の期間が設けられています。この期間に、申しこめば落札できます。基準価格の8割で申し込めるという事ですね。ただ、プロが見ている中で残っているので、所有している土地の隣だとか、特別その土地に思い入れがあるとか以外はほぼ可能性はないと思います。
(手続きが面倒なら)委託する
「競売購入代行」+(地域名)で検索すると、競売物件の扱いになれた不動産業者を見つける事が出来ると思いますし、知り合いの不動産業者でも対応は可能だと思います。コストはかかると思いますが、専門家ですから落札の確度は上がると思います。
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